今世の中はコロナウイルスの影響もあって、経済の先行きが見通せなく不安な日々が続いていますが、マイホームを購入した自分にとっては今後の住宅ローン金利がどうなるか気になります。
特に、私のように変動金利を借りている人にとっては、
- そもそも変動金利って仕組みはなんだっけ?
- 変動金利の動向って、どこをどう確認すればいい?
- 変動金利ってこの先どうなる?
こんな疑問が出てきます。
今回はこれらについて、まとめていきたいと思います。
変動金利の仕組み
住宅ローンの変動金利は、以下の流れで決まっていきます。
- 日本銀行が政策金利が決める
- 政策金利を基準として、銀行が短期プライムレートを決める
- 短期プライムレートによって店頭金利と適用金利が決まる
つまり、住宅ローンの変動金利は直接的に「短期プライムレート」によって決まり、そして、この短期プライムレートは、日本銀行が決めている「政策金利」を基準に決まるということです。
詳しく見ていきましょう。
①日本銀行が政策金利を決める
この「政策金利」は何かと言うと、中央銀行(日本の場合は日本銀行)が一般の銀行に融資する際の金利のことを指します。
一般的には、
景気が良い場合
→ 政策金利を高く設定(引締め策)
景気が悪い場合
→ 政策金利を低く設定(緩和策)
とされています。
ちなみに、過去から現在までの政策金利はこんな感じでした。
- バブル崩壊後1999年に完全にゼロ金利となる
- 2000年のITバブル時、一度金利が上昇したがすぐに戻る
- 2007年のリーマンショックの影響を受けマイナス金利に突入
②政策金利を基準に短期プライムレートが決まる
まず「プライムレート」というのは、銀行が企業に対して融資する際の最優遇金利のことです。
- 貸出期間が1年未満
→ 短期プライムレート - 貸出期間が1年以上のもの
→ 長期プライムレート
これらのプライムレートは各銀行が個別に設定していて、その中でも「短期プライムレート」は先ほどご説明した「政策金利」を参考に決められます。
つまり、政策金利に連動した動きをすることになり、政策金利が上がれば短期プライムレートも上昇しますし、逆に下がれば短期プライムレートも下落します。
ちなみに、短期プライムレートは2009年からずっと金利の変動がありません。
③短期プライムレートによって店頭金利と適用金利が決まる
住宅ローンを変動金利で借りる際に最終的に適用される「適用金利」は、融資を受ける人の勤続年数・会社・年収といった属性から優遇幅を銀行が決めて、「店頭金利」から優遇金利を割引くことで決まります。
そしてこの「店頭金利」というものは、「短期プライムレート」に約1%程度上乗せされたものになります。
つまり、住宅ローンの変動金利は、短期プライムレートと政策金利によって決まるのです。
ちなみに固定金利の場合は?
10年固定やフラット35といった固定金利の場合は、10年物国債利回りによって決まってきます。
ここでは簡単にまとめます。
景気が良い場合
国債が売られ、株が買われる
→ 金利上昇
景気が悪い場合
株が売られ、国債が買われる
→ 金利下落
変動金利の動向についての確認方法
変動金利の仕組みが分かったところで、今度は変動金利の動向についての確認方法についてです。
変動金利が上昇していく局面では、固定金利に乗り換えて金利上昇リスクに備える必要が出てきます。
そうした変動金利から固定金利に乗り換える判断するにあたって、今の変動金利の動向を確認する必要があるわけです。
じゃあ、具体的にはどうするかと言えば、先に紹介した「短期プライムレート」と「政策金利」の2つをチェックすれば良いわけです。
短期プライムレートの動向チェック
プライムレートの推移については、日本銀行のHPから見ることができます。(短期プライムレートと長期プライムレートのどっちも)
日銀が公開しているプライムレートのデータですが、
- 短期プライムレート
→ 最も多くの数の銀行が採用した金利および最高、最低の金利 - 長期プライムレート
→ みずほ銀行の金利
である点に注意です。
なので、最終的には自分が借入している銀行のHPを確認する必要があります。
政策金利の動向チェック
政策金利の動向は以下のサイトがとても分かりやすくチェックできます。
1つ目は、みんかぶFXのHPです。
現在の政策金利と、次回の政策金利の予想なども一緒に確認することができます。
また、政策金利の過去データも確認できます。
2つ目は、外為どっとコムのHPです。
こちらでは、日本だけでなく主要各国の政策金利も表やグラフで一緒に確認することができます。
変動金利の今後はどうなる?
2020年3月現在、変動金利のベースとなる政策金利は-0.1%です。
また、現在コロナウイルスの影響もあり、世界中の経済が大打撃を受けている状況で、一刻も早く経済回復が叫ばれている状況です。
ただ皮肉にも、日銀としては金融緩和策を打とうにも既にマイナス金利となっているために打つ手なしといった状況でもあります。
これらから、しばらくは政策金利が上がることはなく、変動金利が上がっていくことはしばらくなさそうです。