最近、米国株式にとても興味を持ち始めたのですが、いろいろと悩ましい問題が多くて踏み切れずにいました。
そんな時に、米国株に投資ができる国内ETFを見つけました!
米国市場全体の動向を表す株価指数「S&P 500」に連動する、銘柄コード1557「SPDR S&P 500 ETF」です。
今回は、
- SPDR S&P 500 ETF(1557)ってどんなETF?
- 米国で上場されてる同じ名前のETFとは何が違うの?
- SPDR S&P 500 ETF(1557)のメリットは?
これらの疑問について調べたので、私の備忘も兼ねてご紹介したいと思います。
SPDR S&P500 ETF(1557)とは?
基本情報
銘柄コード | 1557 |
銘柄名 | SPDR S&P 500 ETF |
対象指標 | S&P 500株価指数 |
管理会社 | ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ |
上場日 | 2011/3/24 |
取引単位 | 1株 |
純資産残高 | 33,574,622(百万円) *1 |
信託報酬率 | 0.0945% *1 |
分配金支払日 | 3, 6, 9, 12月の各第3金曜日から2営業日後 |
*1 2020/3/16時点
これは東京証券取引所に上場された上場投資信託で、通常の個別株と同様に日本の取引時間中ならいつでも売買が可能です。
このETFは、米国株式の株価指数の1つであるS&P500株価指数に連動して運用されています。
S&P500株価指数とは何かと言うと、
米国株式市場の動向を示す株価指数のひとつ。S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス・エル・エル・シーによって算出される、時価総額をベースにした指数です。工業株400種、運輸株20種、公共株40種、金融株40種の各指数で構成されていて、採用銘柄は約40業種に及んでいます。ニューヨーク市場の時価総額の約75%をカバーしていて、市場全体の動きを表す指標として機関投資家などに広く利用されています。
引用元:SMBC日興証券(https://www.smbcnikko.co.jp/terms/eng/s/E0052.html)
つまり、SPDR S&P 500 ETF(1557)は米国の代表的な株式500銘柄に日本円で気軽に分散投資ができるというETFになります。
なので、投資初心者の方や為替のことがよく分からないという方でも、簡単に米国株式の投資がいつでも自由にできちゃいます。
しかも、ETFということで分散投資投資されてますので、個別株に比べてリスクも小さいです。
分配金(配当金)
直近の分配金についてまとめてみました。
支払基準日 | 投資分配金 (1口あたり 税引前) |
円換算 (1ドル107円) |
2020/03/23 | 1.405559ドル | 約150円 |
2019/12/23 | 1.569992ドル | 約168円 |
2019/09/23 | 1.383619ドル | 約148円 |
2019/06/24 | 1.431640ドル | 約153円 |
合計 | 5.790810ドル | 約620円 |
上記は税引前ではありますが、四半期ごとに毎回約1.4ドル貰えるようです。1ドル107円とする約155円ほどですね。
年間トータルでは約5.8ドル(約620円)貰えますので、株価を3万円と仮定すると、配当利回りは約2.1%となりました。
現在の株価
2020年2月頃までは35,000円を超えていました。
ですが、コロナショックの影響を受けて、一時25,000円ほどまで下がりましたが、2020年6月にはコロナショック前の35,000円を回復しました。
米国で上場されてるSPDR S&P500 ETF(SPY)と1557の違いは?
SPYと1557はどちらも同じSPDR S&P500 ETF
米国に上場されているETFで、ティッカーがSPYで、同じ名前のSPDR S&P500 ETFというものがあります。
このSPYは1993年に米国初のETFとして設立されたもので、先に紹介したS&P 500株価指数に連動していきます。
コロナショックの影響を受けても、2020年6月時点で約2,700億ドル(約29兆円)もの資産残高を持つ世界的にも最大規模のETFになっています。
ここで、こんな疑問が沸いてきました。
結論から言うと、1557はSPYの東証に上場している円建て版SPDR S&P500 ETFで、基本的な中身は同じです。
どちらも同じS&P 500に連動しますし、純資産残高約33兆円、信託報酬0.0945%も同じです。
異なる部分と言えば、SPYはドル建て、1557は円建てという点です。
中身は同じでも為替の影響は受けることに注意!
SPYと1557は中身が同じと言いましたが、ドル建て/円建ての違いにより為替影響を受ける点に注意です。
指標となるS&P 500が上昇すれば、基本的にSPYも1557もどちらも価額は上昇しますし、逆に下がればどちらも下落します。
ここまでは当たり前の話なのですが、ここに円安/円高も影響してきます。
円安になれば1557は上昇しますが、円高になれば1557は下落します。となると当然、SPYは逆の動きになりますね。
S&P 500 | 為替 | SPY | 1557 |
上昇 | 円安 | ±0 | 上昇↑ |
円高 | 上昇↑ | ±0 | |
下落 | 円安 | 下落↓ | ±0 |
円高 | ±0 | 下落↓ |
つまり、SPYと1557は全く同じ動きをするわけではないということです。
長期的な投資であればそこまで気にする必要はないと思いますが、株価のチェック時などは注意が必要です。
1557はSPYに比べて出来高が低いことに注意!
出来高が高ければ流動性が高いため売買がし易いです。
一方、出来高が低いと流動性が低いため、売りたい時に買い手が付かず売れないなんてことも起こりえます。
SPYと1557を2020年6月12日時点の出来高で比べてみると、
- SPY … 34,662,350
- 1557 … 25,563
SPYのほうが1557よりも約1355倍ほど出来高が多いです。
今後、1557も増えていくかもしれませんが、未来は誰にも分かりませんので、この出来高がそこまで多くはないという点には注意が必要です。
SPYではなく1557を選ぶメリットは?
では、SPYではなく1557を選ぶメリットについて考えてみます。
ドルではなく円で売買できる!
SPYを買う場合はドルで買うことになるので、円をドルに替える必要があります。
最近は、事前にドルの準備が不要な「円貨決済」というやり方があります。
これは円で注文することができ、後は証券会社がドルに替えて注文を出せるという便利な方法です。
但し、どちらも最終的にはドルに替えることになります。
そうなってくると、円をドルに替えるなら円高のほうがいいわけなので、
- SPYを買うタイミング
- 円をドルに替えるタイミング
この2つを気にしなければなりません。
一方、1557であればドルに替えることなく円で買えて、円で売れるわけです。
煩わしい為替のことを考えてなくて売買できるのは非常に大きなメリットだと思います。
米国と日本での二重課税を回避できる!
米国株の場合、譲渡益は問題ありませんが、配当金の受取時は米国と日本とで二重課税されるという問題があります。
配当金が仮に1万円だとすると、
- 米国で10%が源泉徴収
⇒1万円 × (1 – 0.1) = 9,000円 - 更に日本で20.315%が源泉徴収
⇒9,000円 × (1 – 0.20315) = 7,171円
といったように米国と日本で二重課税されると、トータルで約29%ほど税金にもってかれます。
もちろん、確定申告をして外国税額控除を適用すれば米国に取られた10%がそのまま戻ってきます。
ただ、確定申告するとなるとやはり面倒ですし、初心者向けではありません。
一方、1557であれば中身が米国株であっても国内ETFですので、こうした問題は起きません。
1557は3月、6月、9月、12月の年4回配当金が出ますが、国内の税率(20.315%)しかかかりませんので、安心して受け取れます。
米国株の入門用にはおすすめなSPDR S&P500 ETF
以上、SPDR S&P500 ETF(SPY、1557)についてでした。
米国株に興味があるものの、投資初心者や為替がよくわからないといった方は、1557から始めてみるのがいいかもしれません。
それで感覚が慣れてきたら、本格的に米国株ETFのSPYにシフトしていくのが良さそうです。
個人的には、配当利回りが約2.1%ということで、ちょっと物足りなさは感じましたが、試しに買ってみようかと思います。
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